稀産?変種ジルコン

今日投稿する鉱物は特に特別珍しいわけではないのですがたいへん興味深かったので投稿することにします


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写真は福岡県長垂の変種ジルコンで、大学の先生によるとジルコン自体に放射性物質が入っているわけではなく、ジルコンが他の放射性鉱物を含むことによってハロが起こっているそうです。長垂のものとしては大きめのものらしく、結晶面も観察できます。

オーストリアチロルのSchwazite(シュワーツ鉱)とチロル銅鉱

オーストリアチロル地方には古くから有名なSchwazという鉱山の町があります。この町は中世に銀の大きな鉱床が見つかり、一時はウイーンよりも人口が多かったそうです。

 

さて、今回はこの由緒ある鉱山で産出したSchwaziteという鉱物と知っている方もいるであろうチロル銅鉱の紹介です。

 

 SchwaziteとはこのSchwazという地名からついた鉱物で、安四面銅鉱の(Cu,Fe,Zn)12Sb4S13の最初の部分に水銀が入ったものです。しかし、水銀が一番多くなることはなく、亜種止まりとなっています。この標本は結晶も出ており、ウイーン自然博物館に展示されているSchwaziteに勝るとも劣らないクラスの標本です。とても昔に出たもので流通数も少なく、値も張りましたが購入を決意しました。買ってよかったと思います。ミュンヘンミネラルショーでも見つかったのはこの標本だけでした。この鉱物はかなり稀産な方で日本でも別子銅山でものすごく少量見つかっただけだそうです。

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実際にオーストリアのチロルに訪れてからずっと欲しいと思っていたシュワーツ鉱(ドイツ語読みだとシュヴァーツァイト)を手にいれると愛着が湧いてきます。

 

次に紹介するのは同じ鉱山で発見された新鉱物、チロル銅鉱です。この鉱物は”楽しい鉱物図鑑”にも書かれている通り、この産地のものが最もきれいだと思います。標本中の青い放射状のものが本鉱です。比較的稀産な鉱物だと思います。

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この標本は実際に私がSchwazを訪れた時に採集したものです。

 

金鶏鉱山(金鶏金山)のフローレンス石と日本式双晶の水晶

今回は、今年最後の鉱物採集になるであろう大晦日に採集した金鶏鉱山(金鶏金山)のフローレンス石の紹介です。

 

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中心に見えるピンクの結晶がフローレンス石です。国内で唯一肉眼で見えるものを産出することからこの鉱山のフローレンス石は有名です。また、多くの人が訪れるためにこの鉱物はほぼ絶産しており、私も一つだけしか採集できませんでした。

 

この鉱山は日本式双晶の水晶が産出することでも知られ、今回は1センチ大とこの鉱山にしては大きめのものを採集できました。

 

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鷹ノ巣鉱山のマンガンパイロスマライト

栃木県鹿沼市上粕尾にある鷹ノ巣鉱山にて採集したマンガンパイロスマライトの紹介です。

 

 

坑道は五つほどあります。

 

 

鷹ノ巣鉱山から産出した鉱石

 

この鉱石は、マンガンパイロスマライト(紫部分)ばら輝石(ピンク部分)テフロ石(右上の緑色部分)などからできています。ズリには、まだ沢山の鉱石が残っています。  

 

 

マンガンパイロスマライト部分の拡大図

 

この標本は鷹ノ巣鉱山で採集したマンガンパイロスマライトの中で一番リッチな標本です。

黄金沢鉱山の洋紅石

先週は山梨県甲州市の平沢にある黄金沢鉱山にて洋紅石を採集してきました。最近ではこの鉱山のズリ石も減り、洋紅石の採集は年々困難になっているといいます。

 

アプローチ方法は鉱物ウォーキングガイドに記載されているので省略します。

 

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ここの鉱山の目玉鉱物である洋紅石です。

 

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この緑色鉱物はおそらくコニカルコ石です。

 

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最初の写真の洋紅石と同じ鉱石に着いていたビューダン石。洋紅石を伴います。

 

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落ちていた水晶には双晶もありました。ブラジル式双晶?

 

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ここで拾える水晶の大きさは最大でも3cmほどで、小さめです。